可愛いものと雑記のブログ

雑記です。可愛いキャラクターが好きです。

あの会釈は気まずかったです

 確か、二年前の出来事。ヒロアカ34巻の発売が2022年だから、二年前。じゃあ、老眼鏡上げ下げしながらレタスクラブ読んでたおじいさん見たのも二年前ということになる。あの人、生きているだろうか。どこかで老眼鏡上げ下げしていることを祈っています。

 レタスクラブという言葉でわかるとおり、本屋での話です。

 その日私は、ヒロアカとその他漫画数冊、チキップダンサーズ、宮内悠介の本を買うため近所のでかめな本屋に来ていた。

 ごめんなさい。前述の分の中に二つ嘘がある。

 一つ目に、おじいさんが読んでいた本はレタスクラブではなくひよこクラブである。

 二つ目に、近所の本屋と書いたが、全然10キロ弱離れた半近所である。

 どちらも誤差ですが謝ります。ごめんなさい。

 

 でかめの本屋というだけあって、本屋独自の検索システムが備わっており、目当ての本はすぐに見つかった。すぐに会計するのも、趣がなくてつまらない。そのため、全く興味はなかったがBLコーナーに寄ることにした。

 すごかった。なにがすごかったのか。コーナーの配置である。児童書コーナーの隣に鎮座していたのだ。ちびっこ達がおしり探偵ただ一冊を、その豊かな感受性を用い読解している隣。半端に熟した若者達が別の用途で用いられるおしり達を、右に、左にと手を伸ばし底なしの欲に従い享受していたのだ。おしりを。待てよ。どちらもおしりの用途としてはイレギュラーではないか?いや、むしろBL達のほうが正規の使用法に近いのではないのか?

 よくないよくない。このブログはこんなに堅い文章書かないようにしようと決めていたのに。頭は柔いのになんで。どうしよう。叫ぶか。いや、それは初回でやったぞ。

 こうなったら最終手段。

 うんこ。

 よし。

 ちなみに、会釈はBLコーナーでは発生しない。

 おしり大好きさん達のとなりで、わたしも良いおしりを探し、本を数冊とった。結果、私はおしりというか、BLにそんなに興奮しない人間だということが分かった。

 BLを心から楽しめない自分の興味の浅さに絶望した。ガビョーン!!!のレベルで。

 

 そんなガビョーンを保ったまま、私はレジへ向かった。

 レジには眠たそうなお姉さんが立っていた。

「おねがいします」

 レジに本を出す私。

「ポイントカードお持ちですか?」

「持ってないです」

「なるほど」

「はい。はい?」

 なるほどって言いました?と三年前の私ならば聞いていただろうが、すでに二年前の私であったため、この人疲れてるんだなぁぐらいにしか思わなかった。

 お姉さんが目をゆっくりパチパチさせながら聞いてきた。

「ビニールどうしますか?」

 ビニール。そう聞いた瞬間、わかんない!!!わかんないよぉ!!!なんなのよ!!!と疑問を持つことはなく。一直線に、漫画を覆ってるビニールのことだと解釈してしまった。 

「あー。全部切っちゃってください」

 ビニール取ってくれるのいいな、くらいの考えでいった私の言葉はお姉さん目を覚まさせ、ひどく狼狽させた。

「お客様。あの。ビニールですよ」

 お姉さんなんか変?くらいにしか考えずに言ってしまった。

「はい。ビニールです」

 瞬間、お姉さんが半端ない程目をパチクリさせオタオタし始めた。ここでようやく私は自分を疑い始めた。まずいこと言ったかな。セクハラとかしてないはずだけど。好きなタイプ松重豊だし。

 なんだろなんだろと考えるうちに、一つの疑問にたどり着く。

 そういえば、ビニール袋いりますかって聞かれてないな。

 ビニール袋。ビニール、袋。ビニール。

 ビニール?……ビニール。

 ビニーーーーーーーーーーーーール!!!!!!!!!!!!!

 

 お姉さんが指していたビニールとは、ビニール袋のことだった。にも関わらず私は漫画のアレだと勘違いしてしまった。そうして生まれた。

 店のビニール袋を全て切らせようとしてくるヤバい客が。

 本屋のレジにて、アンジャッシュが誕生した。

 そこからは早かった。

 私がまくし立てたのだ。

「あ!すみません!袋いらないです!一万からお願いします!」

 そう言って二万出す私。

「あっ!はい!」

 とにかくレジを打つお姉さん。とにかくこの場を離れたい私。

「おつりです!!!」

「ありがとございます!!!」

 本屋からの帰り道、思い出さないよう爆音でPPAPを聞いたのはいい思い出だ。

 

 その後、僕とロボ子の新刊を買いに行ったとき品出し中のお姉さんと目が合った。

 お姉さんは優しく会釈してくれた。私も優しく会釈を返した後、漫画を手に取った。

 オトメの帝国。